あなたと君と
私は5歳のころ両親を事故で亡くした。

引き取り先がなく、孤児院に入れられた。

中学3年生になって進路のことに悩んだ。

お金はなくて私立はもちろん県立でも危ないかもしれないと孤児院の人に言われた。

だから、私はがんばって勉強してこの高校に受かった。

しかも、奨学金と入学金免除というおまけつきで。

そして、私は孤児院を出て一人暮らしをしている。

最初はバイト探しやらなんやらで大変だったけど

生活補助を受けてなんとかやっていける程度にまでは安定した。

こうして頑張れたのも祥也君のおかげだと思ってる。

でも、しょせんは片思い・・・。悲しくなってくる・・・。

「おーいっ、翡翠ー?だいじょぶかぁー??」

「へ?・・・あぁ、ごめんごめんっボーっとしてた」

「はいはいーいつものことですから慣れてますよ~じゃあ行きますかっ」

そういって2人して席をたった。

その時、祥也くんがこっちを見てたような気がした。

だけど、勇気が出ず振り返れなかった。

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