ラムネ色~あたしとヤンキーとバトルな毎日~

不覚にも足がすくんだ

迎えに行かないとって
頭では叫んでるのに
体がうごかない

どれくらいたったのだろう
つったってたあたしを
正気に戻してくれたのは
彼の声だった

「華悠…ちゃん?」

ゆっくりと振り向くと
心配そうに見つめてくる
修司さんがいた

「あっえっ…あたし…あの……!」

すっと修司さんの指が
あたしの目元に触れる

このときまで自分が
泣いていたことにすら
気づいていなかった

「大丈夫だよ
 無理しなくていい
 強がらなくていい
 そのままで大丈夫だ…」

そう言って頭を撫でてくれた
なんだか心も体も
糸が切れたように
溶けてしまいそうなぐらい
力がぬけていった

修司さんの言葉は
あたしの全身にしみわたり
さっきとは違う
安堵の涙がはらはらとこぼれ落ちる

「どこか行こうと思ってたの?」

うげっ忘れてた!!

「ヤバッ星夏のお迎えに行くんですっっ
 あ、えっとありがとうございました!!」

修司さんにお辞儀をして
走り出そうとした時…





ガシッ―




腕をつかまれた


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