彼の事情、彼女の…。
③
Aクラスに行くと、サヤカと佑ちゃんが他のクラスメートと話をしていた。
「ゆ~うちゃん。遊びましょ。」
こうゆう時、最初に声を掛けるのは大体俺。
心の中で“いくつだよ”って自分でツッコミを入れつつ、顔はにこやかポーカーフェイス。
「あ!尋君。ケント君も彼方も!どうしたの?」
素直な佑ちゃんは、俺達の姿を見かけると、にこやかに近寄ってくる。
「今日、部活休みなんだ。だからさぁ、一緒に遊びに行かない?」
「そうそう。サヤカちゃんも一緒に!」
「・・・・。」
俺達の誘いに佑ちゃんはもちろんO.K。
…でも、サヤカは…。
「は?何であんた達と遊ぶのよ。今日は佑奈と買い物に行く予定なんだけど?」
「サヤちゃん。買い物は明日で良いんだよ?せっかく誘ってくれたんだし。」
「…ん?佑奈、なんかほしいの?」
「あー…。そうゆう訳じゃないんだけど…。」
今まで声も出さなかった彼方が、佑ちゃんの事に途端に反応する姿は…。
周りの俺達からすると…
『見てらんねェ』位デレデレで…。
あぁ、もう、勝手にやってろ!って気になる。
まぁ、実際、勝手にやっているんだけれども…。