彼の事情、彼女の…。
俺達五人は“チラリ”と目配せをした。
そして、結論は…。
「ゴメンなぁ、アカネ。今日はさ、長く居られないんだよ。証明写真撮りに来ただけだし。新しいバイトの面接が有るんだよね。」
勿論、ウソ。
今のバイト、辞める気ねェもん。
ここのゲーセン、ナゼか一番奥…プリクラの隣に証明写真撮る機会が置いてあるんだ。
「え~、ザンネ~ン。ケント君と彼方君もぉ?」
「違うよ。俺はこれから彼女のトコ行くし、彼方は家の用事あるんだよな?」
「え~そーなのぉ。」
ケントからの援護射撃にサスガのアカネも撃沈。
諦めた様だ。
「じゃあ、今度休みの時は絶対誘ってねェ。アカネ、楽しみにしてるからぁ。」
「ん。分かった忘れなかったら…ね。じゃあな。」
アカネを何とか振り切った俺たちは、そのままゲーセンを出ることにした。