彼の事情、彼女の…。
「サヤカは、今、守ってくれる王子様は居ないだろ?だからさ、お・れ・が、しっかり守るから。“王子様”にはなれなくても、“ナイト”位にはなりますよ?サヤカ姫?」
「・・・尋・・・。」
…今はまだ、“王子様”にはなれない。
だってさ、ほら、俺まだ“条件”クリアしてないし?
でも、サヤカに“王子様”が居ないなら…俺がキミを守る“ナイト”になっても良いだろ?
「・・・ってか、ならせろ。」
強気発言の俺を、驚きの表情で見ていたサヤカ。
あぁ、もう!
本っっっ当にキスしたい!!!
なんて、思っていると…、サヤカの緩んでいた唇が“クク“っと上がって行った。
・・・あ、何か企んでるっぽい笑いだ・・・。
「そ?じゃあ、アタシの“ナイト”様に激励しなくちゃ…ね。」
サヤカはそう言ったかと思うと・・・。