彼の事情、彼女の…。



あの日、いつもと違う事と言えば、夜遊びの帰りではなく、当時の友達の家からの帰りだったって事。



“オンナ”ではなく“オトコ”の・・・。



1月の真夜中…。



それは寒いなんてもんじゃなくて、少しでも暖をとりたくて、丁度いい具合にあった自動販売機の缶コーヒー目掛けて歩いて行った。


その自動販売機は小さな公園の中にあった。


“ガシャン”


自動販売機からコーヒーを取り出し一口飲むと、ほんの一瞬だけど体の中から暖かくなり何となく嬉しいような気持ちになった。





その頃には、空から真っ白い雪がフワリフワリと降りてきていた・・・。







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