彼の事情、彼女の…。
②
自分が“恋”をしていると自覚した日から、オンナとは関わらなくなった。
夜遊びもほとんどしなくなった。
日中は学校へ行き、授業を受け、バスケもそれまで以上にマジにやった。
ただ・・・。
あの公園へはよく行くようになった。
あの雪の舞い降りる真冬の日から2回、彼女を見かけた。
彼女は2回とも、空を見上げて涙を零していた。
・・・でも、俺は声を掛ける事が出来なかった。
そうして、俺は中学を卒業し、高校生になった。