彼の事情、彼女の…。
③
…で、まぁ、俺としてはあれから今までサヤカの恋を見守って来た訳だ。
『さっさと告る』って手もあったけど、俺としては…
サヤカの身近にいて、まず、俺の事を知ってほしかった。
だって、あの頃例え告ったとしても…それが、例え俺にとって“マジ告白”だったとしても…
『何言ってんの?あんたバカじゃん?』
なんて、“条件”も出されずにバッサリ切り捨てられて終わりだろう。
だから、俺を知ってほしかったんだ。
サヤカのそばに居たいから、告られたら受けて、誘われたらのった。
“軽い男”として、印象付け、お互い何でも言い合える様になった。
でも、サヤカが彼氏と別れて居る間は、俺もフリーでいる様にした。
そうして、産まれて初めて“マジ告白”をしたんだ。
…で…さ…、
そのサヤカから、ほんの一瞬とは言え『キス』何かをされたんだから…
舞い上がらない訳ないだろ?