彼の事情、彼女の…。
mission★3
①
―――――翌日。
あの後、早速仲直りした幼馴染達は、何とも甘酸っぱい空気を醸し出していた…。
久しぶりの二人での登校。
久しぶりの二人での時間。
何か、恥ずかしいよな?でも、手とか繋いじゃう?キャ!!
・・・みたいな?
あぁ、お前ら、小学生からやり直せ!!!!!
昼休み。
自動販売機でコーヒーを買おうとした俺の横から“スッ”と手が伸びて、“チャリン"とコインを入れて来たのは…サヤカだった。
「奢るよ。缶コーヒーだけど。」
サヤカはそう言うと、いつも俺が飲むブラックコーヒーを押した。
「ん。サンキュ。」
俺は素直にそれを受け取って、サヤカを中庭に誘った。
今日は晴天。
…でも、11月も半ばに差し掛かった最近では、中庭に居るのは俺達位なものだった。