彼の事情、彼女の…。
「尋君、おはよー。」
学校の玄関で靴を履き替えている俺にそう声を掛けて来たのは、佑ちゃん。
ちっちゃくて少し童顔なこの女の子は、男的には守ってあげたい系の可愛さがあって…。
ニッコリ笑う佑ちゃんの頭を、思わず撫でてしまう。
「ん。おはよう佑ちゃん。」
そう答えた俺の手首をギュッと握る男が一人…。
今日も仲良くご登校の…彼方…だ。
「おはよう。彼方。」
「・・・・。」
ニッコリと挨拶する俺と、眉間にシワを寄せる彼方。
わ~お。
こいつ、俺にまでヤキモチかよ…。