彼の事情、彼女の…。
「あ、尋先輩。」
「ん?おお。」
部活に行く途中、偶然、はるかに会った。
はるかは確かに元カノだけど、今はケントの彼女。
特に気まずくなることも無く、先輩・後輩としてイイ関係を築いている。
「これから部活ですか?部長サンなのに遅刻はダメですよぉ。」
「バーカ。担任に呼ばれたんだよ。俺みたいな真面目なヤツが遅刻なんてする訳ないだろ?」
「えー??先輩が??不・真面目の間違いじゃないですか?」
「は?それはケント君でしょう?ねェ、はるかっちゃん。季節外れの虫刺され…かな?」
「…うっ/////。」
耳の後ろに見えた紅いシルシ。
間違いなく不真面目な行為のシルシでしょう。
「…目立ちます?」
顔を真っ赤にして聞いてくるはるか。
「んー。まぁ、隠すなら、もうちょっと上手にね。」
ま、ラブラブで良いんじゃないか?
はるかは、余程恥ずかしかったのか「失礼します。」って言い終わる前に、顔を真っ赤にして走って行った。
俺は、笑いを噛み殺しながら部活へと向かった。