彼の事情、彼女の…。
②
翌朝、俺は、いつもの様に学校へ行った。
ただ、学校はいつもの通りではなく…どこか騒々しい。
何か…あった?
「はよーっす。」
違和感は感じたものの、それが何かは分からないまま、俺はいつもの様にクラスへと入った。
いつもと同じなら、いつもと同じ3人トリオがバカ笑いをして居るはず…。
でも、いつもの場所に居るのは2人で…何やら難しい顔を付き合わせていた。
「よ。どうした?難しい顔して。ケントは?」
いつも俺より早く来ているケントが居ない事が気になる。
「あ…尋。おはよ。」
「はよ。ケントは…保健室だよ。」
愁と純平が言った。
・・・て、朝から保健室?
…何となく…嫌な予感がした。
「保健室って…あいつ、どうしたんだよ。」
愁の隣に座った。
「ん。はるかちゃんの付添いだよ。生徒玄関でさ、ケガしたみたいなんだ。」
「はるかがケガ???」
あぁ、朝からの違和感が分かった。