彼の事情、彼女の…。
高校に入って、同じクラスに彼が居た事に驚いた。
名前と噂しか知らない彼だけど、何となく親近感が湧いて、気が付けば普通に会話するクラスメートになっていた。
噂では、凄く怖いイメージだったのに、実際は軽くて、でも、それ以上に優しい人だった。
だから…と言う訳では無いのだけど…私は、段々彼に惹かれていった。
彼は、2~3週間のサイクルで彼女が変わっていたのだけど…ある日、その当時の彼女が、友達と話しているのを偶然聞いてしまった。
「ネエ、どうよ?彼。」
「うん。上手いよ。…でもさぁバスケばっかでつまんないんだよねぇ。」
「あー…、皆言うよねぇ。」
「やっぱ、別れちゃおっかなぁ。」
「あっ、そんで、セフレになるんでしょ?」
「アッタリィ。だって、彼より優しくしてくれる人の方が良いじゃん?でも、彼のエッチは忘れられないしねぇ。」
「え~、そんなに良いの?じゃあ、アタシも一回お願いしよっかな~。」
「良いんじゃない?でも、他じゃ満足できなくなるよ~。」
「マジで~?」
煩い位の彼女達の笑い声と、その会話で…私の中の何かが音を立てて崩れていくのを感じた…。