彼の事情、彼女の…。



その後、私は彼の『彼女』の座をつかんだ。



…でも、彼が私を『好き』で無い事はすぐに分かった。




彼は、私に笑いかけてくれるし抱きしめてくれる。


キスもするし、授業をサボって空き教室でヤッた事もある。


…だけど、一番大切な彼の『心』は…どこにも見当たらなくて…。




唯一、彼の心の中に見えたのは『バスケ』だけ。


それが、悔しくて、虚しくて、哀しくて、淋しくて…。





そして私は、言ってはいけない一言を言ってしまった。





「もう、我慢できない。バスケと私とどっちが大事なの!!!」





…答えなんて、もう分かってた。





「ゴメンな。もう、別れよ。」





私のたった一言で…私たちは終わったんだ…。









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