彼の事情、彼女の…。
ケントがはるかにメールをしている間、俺はふと、はるかの事を思い出していた。
…そう言えば、この前はるかと話したのは、あのケガをした日の前の日だったな…。
そんな事を思い出した途端…俺は、頭から冷水を掛けられたような…嫌な震えを感じた。
…いや、まさか…。
だけど、そう考えた時、パズルのピースはぴたりと嵌る気がするんだ。
分からない事もある。
謎の部分だって山ほどある。
…だけど…。
俺の中で、確信めいた気持が強くて…。
…全身の震えが止まらない…。
俺自身がどうとか、その本人が怖いとかじゃなくて…。
もしも、俺の考えている事が正しくて、“彼女”が何か被害に会ったら…。