彼の事情、彼女の…。
そして、思い出すのは…今日の朝。
俺は“彼女”に会った。
『おはよ。今日も可愛いね。』
『は?何言ってんの?寝言は寝て言いな!』
『相変わらずだねェ。俺の“愛”が分からないかなぁ。』
『アンタの“愛”ねェ…。他のオンナにばらまき過ぎてるから薄くて全く見えないわ。』
『ひっどいなぁ。これでも一途に“ナイト”のつもりなんだけど?』
『ヘー。そりゃビックリだわ。んじゃ、せいぜい守ってもらいましょ?“ナイト様”に!…手始めに、何か奢ってよ。“ナイト様”。お願ーい!』
『…意味違うくね?』
『アハハ!』
「尋、はるかからメール。『前日に尋に会った位しか思いつかない』って。」
ケントからの報告を受けたと同時に…俺は、屋上を飛び出していた…。