彼の事情、彼女の…。
もちろん、彼方はそんな事に気付いてないから…
「佑ちゃん、ちょっと彼方にヤキモチ妬かせたら?」
「///。」
俺が耳元で囁くと、真っ赤になる佑ちゃんを見て、全身から真っ黒なオーラを放つ。
彼方は、俺が佑ちゃんを好きだと思っているし、佑ちゃんも俺の事を気になっていると…俺と佑ちゃんが両想いだと、トンチンカンな勘違いをしている。
バカな彼方。
だけど、そんな彼方を見て楽しくて仕方ない俺は、相当な“S”なのかも…なんて思う今日この頃だったりする。
ウチの高校は一学年5クラス。
残念ながら愛しのサヤカとクラスは別。
サヤカと佑ちゃんはAクラス。
俺と彼方はCクラス。
まぁ、バカな彼方と同じクラスだから、俺は充分楽しい毎日を過ごしているんだけど…。
「おっ、彼方。中間テストの結果貼り出されてるぞ。」
調度、Cクラスの前の掲示板に貼り出された中間テストの順位表。
「おーおー、相変わらず良い点取ってるじゃん。」
「・・・・。」