彼の事情、彼女の…。





「ねぇ、あの子どこに居るかしらない?」





昼休み、私は“彼女”と話をする為“彼女”の教室へ行った。

・・・でも、居なかった。

教室だけじゃ無く、売店、学食、中庭・・・と、心当たりは全て行ってみたけど・・・どこも空振り。



…全く、何処に居るのよ…。



いい加減イライラしてきた丁度その時…“彼女”が良く一緒に居る女の子達をみつけた。

・・・から、聞いてみた。



「あぁ、あの子なら多分旧校舎の空き教室じゃない?」

「うん。最近良く行ってるよねぇ。」

「そうそう、オトコ連れ込んで…ねー。」

「んー。多分ねぇ、第三音楽室だと思うよぉ。あそこさぁ、たまに部活で使ってるからさぁ、あんま埃っぽくないじゃん?」



“彼女”の友達は、必要のない事まで事細かに教えてくれた。



“そっち系”の話はともかく…必要な情報を教えてくれた彼女達に「ありがとう。」と告げて、私は旧校舎の第三音楽室へ向かった。









・・・オトコ連れ込んでたらどうしよっかな・・・。









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