彼の事情、彼女の…。



ウチの学校は“新校舎”と“旧校舎”の二つの校舎から成っている。


各学年のクラスや普段使う様な特別教室は“新校舎”に、部活の部室や極たまに使う様な教室は“旧校舎”に…って感じに別れているんだ。


当然の事だけど、“旧校舎”は普段は人通りは全くと言って良いほど無くて…空き教室も沢山あって…。


だから、まぁ…ね、所謂“イケナイコト”をしに来る生徒は結構いるんだ。


いや、私も・・・無い訳では・・・無い・・・んだけど・・・。


いやいや、私の事は良いのよ…うん。


今は“彼女”の事!!






私は、旧校舎3階にある第三音楽室へと急いだ。






旧校舎の階段を上って、あと少しで3階…と言う所で、私の前に影が落ちた。


顔を上げると…階段の一番上には人影が…。


その人影は、間違い無く女の子・・・なんだけど、逆光で顔は見えなかった。


…でも、私にはその女の子が“彼女”だって思った。





< 71 / 95 >

この作品をシェア

pagetop