彼の事情、彼女の…。




「ジ~ン。今日、バスケあるのぉ?」


昼休み。

野郎5人(彼方含む)で昼飯中、クラスメイトのアカネが聞いてきた。

俺の元カノで、現在彼方にlock on中のアカネは、俺が彼方と居る時目掛けて話しかけてくる。



「あるよ。何?何かあった?」



本当は今日の部活は無い。

だけど…

“彼方と話したいから”なんてアカネの魂胆を知ってる俺は、意地悪く聞いてみた。

…利用されるのは気分が悪い。



「え?あ…ううん。放課後遊べないかなと思ってさぁ。」


「そっか。部活だから無理だな。」


俺はそう言うと、いつものポーカーフェイスで“ニコリ”と笑って会話を強制終了させた。




アカネが立ち去った後、全てを見ていた野郎4人組は、口々に感想(?)を言い出した。






「…さすが…。」

同じバスケ部のケント。

「…尋ってさ、優しいのか冷たいのか分からんヤツだよな。」

サッカー部の純平。

「元カノなのに…アカネちょっとかわいそうじゃない?」

弓道部の愁。

「…今の…誰だっけ?」

そして、おバカ炸裂中の彼方。






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