彼の事情、彼女の…。
②
「ジ~ン。今日、バスケあるのぉ?」
昼休み。
野郎5人(彼方含む)で昼飯中、クラスメイトのアカネが聞いてきた。
俺の元カノで、現在彼方にlock on中のアカネは、俺が彼方と居る時目掛けて話しかけてくる。
「あるよ。何?何かあった?」
本当は今日の部活は無い。
だけど…
“彼方と話したいから”なんてアカネの魂胆を知ってる俺は、意地悪く聞いてみた。
…利用されるのは気分が悪い。
「え?あ…ううん。放課後遊べないかなと思ってさぁ。」
「そっか。部活だから無理だな。」
俺はそう言うと、いつものポーカーフェイスで“ニコリ”と笑って会話を強制終了させた。
アカネが立ち去った後、全てを見ていた野郎4人組は、口々に感想(?)を言い出した。
「…さすが…。」
同じバスケ部のケント。
「…尋ってさ、優しいのか冷たいのか分からんヤツだよな。」
サッカー部の純平。
「元カノなのに…アカネちょっとかわいそうじゃない?」
弓道部の愁。
「…今の…誰だっけ?」
そして、おバカ炸裂中の彼方。