彼の事情、彼女の…。
でも・・・俺はそんなアカネの、何を見てた?
何を思って側に居た?
何を感じて付き合っていた?
答えは・・・何も見ず、何も思わず、何も感じず・・・。
ただ、自分の事だけを考えて・・・捨てたんだ・・・。
最低で、最悪な男。
なのに、そんな俺をアカネはずっと想い続けてくれて・・・その結果・・もう、止められなくなっちまったんだよな?
悪いのはアカネじゃ無い。
・・・俺だよ。
「なあ、アカネ?言いたい事いってみ?・・今さら遅いかも知れないけど・・最後までちゃんと聞くから。胸の中にある、アカネのドロドロしたモノ・・・全部、吐き出してみろよ。」
・・・アカネのガラス玉の様な瞳が・・僅かに揺らいだ。