妄想店長~大人と子供~

 さて、久しぶりに真面目に働きますか。

 菫色に閉じ込めた貴方のシルエットに笑顔を零すと、私は労働者に戻るべく扉へ向かった。


「翠さん・・・。」


 小さく呼ばれた貴方の声に振り返る事はせず、扉を開ける。

 私はもう海賊ではありませんからねぇ。

 貴方に興味はない。

 今は貴方のいない店に戻って働かなくてはいけませんから。

 恥を承知で我慢するんです。

 言う事を聞いて貰いますよ。

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