妄想店長~大人と子供~

 貴方より早く起きて貴方の寝顔を見ながら、からかいの言葉を考える予定だったのに、起きるどころか、何年振りか、と言うくらい熟睡できてしまった自分が悲しい。

 捕らえたお姫様より遅く起きてどうするんです。

 緊張感を無くしてしまった海賊なんて隙だらけじゃないですか。

 格好悪い。

 大人の余裕で貴方の目覚めを待つつもりだったのに、子供の様に惰眠を貪ってしまった。

 みっともなくて顔を上げれません。

 貴方の胸の中で固まる私に、貴方はまた溜め息を吐いた。


「もう、昼前なんだけど。涎流してよく寝るな。」

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