妄想店長~大人と子供~
慣れない労働をした私は確かに疲れていました。
先に目を覚ました貴方が気を遣って起こさないでいてくれた事は嬉しいです。
先にベッドを出て帰る事だってできたのに、そうしなかったのは私を起こしたくなかったからですよね。
分かっています。
分かっていてとても嬉しいですけど、正直、今回は起こして欲しかった。
間抜けな寝顔を貴方に見られるくらいなら睡眠不足で構わなかったです。
恐る恐る貴方を見上げる為に顔を上げた私は、大変困った顔をしていたのでしょう。
貴方の顔が勝ち誇った様に笑った。
悔しい。
本当なら私がそうやって笑う筈だったのに。
昨日の仕返しですね?
意外と負けず嫌いなんですね。
実は私もなんですよ。
貴方にはいつも負けているんですけど、表向きは勝っていたいんですよねぇ。