妄想店長~大人と子供~

 にんまり笑った私に、貴方が不思議そうに首を傾げた。

 条件反射として身に付いているようですね。

 愛玩犬の様な可愛らしさですけど、私の笑顔の識別は麻薬犬並みに完璧です。


「据え膳食わぬは、って言いますもんねぇ。」


 貴方の手の中から抜け出した私の両手は、貴方に逃げ出す隙も与えず貴方の頬を挟み引き寄せる。
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