妄想店長~大人と子供~

 貴方に逃げる隙を与える必要がなくなったんですから、こうなるのは当たり前ですよね?

 引き寄せた貴方ね唇に触れるだけのキスを贈ると、貴方の顔が一気に茹蛸になる。

 好い反応です。

 今日からは冗談でなく、本気で貴方を虐める事ができるんですねぇ。

 笑った私に悔しそうに眉間に皺を寄せた貴方が反撃のキスをくれた。

 ぶつける様な貴方のそれは、とても色気のあるものとは言えなかったけれど、私を喜ばせるには充分だった。

 負けず嫌いの私と貴方がキスの攻防を繰り返す。

 時折、勢いに任せて互いの前歯がぶつかる小さな衝撃音。

 貴方の頬を挟んでいた私の両手が貴方の首に絡み付く。

 私の肩に触れていた貴方の両手が私の背中と首の後ろへ回される。

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