妄想店長~大人と子供~

 カウンターに頬を付けて虚ろな目で貴方を見つめて呟けば、真っ赤になった貴方がビアグラスを落としそうになった。


「翠さんっ、何考えてんだよっ!何でもかんでも口に出して言うなよっ。」


 分かっています。

 貴方が恥ずかしがっているのは重々承知しています。

 でも、幾ら何でも恥ずかしがり過ぎです。

 子供じゃないんだから。

 何だか本当に私の妄想のような気になる。

 何時の間に私の妄想癖は悪化していたんでしょう?

 確かに、貴方がいきなり、ハニー、なんて私を呼ぶとは思っていませんでしたよ?

 呼んでくれても構いませんけどね。
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