妄想店長~大人と子供~
この店にバイトに来るのは若い学生が殆ど。
そりゃそうです。
私の道楽と父の過保護で出来た店なんですから正社員なんて必要ないんです。
尤も、長続きしたバイト君はいませんけどね。
香塚竜哉さん。
貴方がどれくらいこの店で働き続ける事ができるか、私はすごく楽しみだった。
予想は二ヶ月です。
後になって思えば、それくらいで辞めて下さるのが理想でした。
初めて会った時の違和感に興味を持ってしまった私が愚かだったんです。
私に向けられた明らかに棘のある視線。
好意の視線しか向けられた事のない私。
好意だけを向けられるように行動していた私に、初対面で向けられた貴方の目が酷く意外で気になって仕方なかった。
会ったばかりで嫌われてしまったんです。