妄想店長~大人と子供~

 ちらりと貴方を見れば呆れた視線とぶつかった。

 へらりと笑った私の笑顔は、きっと、やっぱり、嘘臭くて、貴方の逆鱗に触れてしまう。

 再び花びらをちぎりだした私は、今日はもう使い物にならない。

 子供に振り回されている私。

 なんて格好悪い。

 私はこんなんじゃなかった筈、何にも執着しなくて、言い寄って来る人と後腐れなく遊んで、独り身を楽しんでいた筈。

 それが、この有り様。

 可笑しくて泣けてくる。

 止めたくても止められない。

 おまけに今日は暴走しすぎて、貴方との間に広がる気まずい空気。

 振り返ればこの半年、何にも変わらない。

 ずっと敬語で、ずっと店長。

 否、貴方がすごく真面目だと言う事だけど。
< 27 / 224 >

この作品をシェア

pagetop