妄想店長~大人と子供~

「放せ!」

「嫌なら振り解けば良いでしょ。力じゃアタシは敵いませんよ?か弱い乙女ですから。」


 優しい貴方が振り解く事など出来ないのを承知で笑顔を作り、その唇を貴方の手の甲に押し付けた。

 このまま食べちゃいたいくらいです。

 あぁ、重症どころか末期です。

 思考だけでなく行動も危険です。

 自覚しちゃった分、性質も悪くなっています。

 貴方を巻き込む事を決めたのですから、被害は前より直接的ですよ?


「なっ!何してんだよっ!止めろよ、店長っ!」

 茹蛸の様になった貴方の顔、本気で嫌がるくせに振り解かないんですね。

 なんて虐め甲斐のある人なんでしょう。

 その顔は私の加虐心を煽るだけですよ?

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