妄想店長~大人と子供~
第三章

 私の暴走翌日、いつものように出勤して来た貴方は赤い顔をしていた。

 初めは、昨日の今日で照れているのだと思っていましたけれど、様子が変です。

 何時まで経っても引かない赤い顔と、襲って下さい、と言わんばかりに潤んだ瞳は、昨日の雨の所為ですか?

 確かに私は店の事も何も出来ませんけど、風邪を推してまで出て来なくても良いんですよ?

 店は閉めちゃえば良いんです。

 あ、私がこんなだから無理して来て下さったんですかねぇ。

 おまけに、貴方は体調不良を必死に隠している様子。

 幾ら、私が馬鹿で無能な店長でも気付きますよ?

 毎日、貴方を見つめているんですから。

 少しだけ邪な妄想を含んではいますけど、ほんの少しです。
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