サクラノキセツ。
彼女は、話をはじめた。
「あのね、私…」
何やろう。
彼女は、また口を開いて。
「あのね、私婚約者がいるの。」
彼女は、僕に、
はっきりと、婚約のことを
教えてくれた。
「いまどき婚約なんてね。」
と、彼女は言ったが、
彼女の父は、お嬢様学校の
理事長だから、
それは、当たり前だと思った。
僕は、
「あんさぁ、僕と付き合う前から知ってた?」
彼女は、うつむいて
コクンッとうなずいた。
「じゃあ、何で僕と付き合ったの?」
と、ちょっときつめにいった。
「好きになっちゃったから…」
と、彼女は言った。
僕は、もうめんどくさいと思ってしまった。
「で、君はどうしたいの?」
と、聞いた。
「私は、あなたと結婚したい。」
僕は、考えるからといい、
またと、彼女の家を後にした。