redheart*
「 初めまして、
私の名前は
青山奏、と申します。
青山で結構でございます。 」
「 あたしは北条まりあ。
これから宜しくね 」
「 はい、こちらこそ。
お嬢様、とお呼び
しても…? 」
「 当然でしょ、
貴方は執事なんだから! 」
「 有難き幸せ。 」
はじめてなのに、
何だか会ったことが
あるような…。
そんな気がした。
「 ではお嬢様、
お家の中を
案内してもらっても
よろしいでしょうか 」
「 そうね、青山は
まだこの家を
知らないものね 」
「 はい 」
あたしは、
黒縁眼鏡を
外すと、
青山と家の中を
一周しながら、
部屋を案内する。
そのとき、
青山はぼそっと呟く。
「 まりあも、
あんなに大きく… 」
「 …?何かあった? 」
「 何でもありません、
お嬢様。 」