夢想物語(仮)
桜は僕の頭の上に、ぽんと手をおいて言葉を続けた。

「睨むな。羊が睨んだって恐くなどない。むしろ滑稽なだけだぞ?」

一瞬、言葉の意味が分からず呆けていたが桜の次の言葉で意味が分かった。

「弱い者が睨んでも恐くないだろう?強がっているのが丸分かりだ。」

つまり、弱い者=僕ってことだ。

「僕は弱くなんかないっ」

怒鳴ってみても、桜は謝ろうともせずに飄々と言った。

「知っているさ。お前は強い。」

はぁ?と顔を歪める。桜との会話は分からないことばかりだ…。

「さぁ、桃慈が怒ることしか出来ないこの話題は終えることにしよう。」


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