夢想物語(仮)
は…?声には出さなかったが心中では、疑問符ばかりで埋めつくされていた。

「嘘でも冗談でも無い。ここは夢のなかだ。更に言えば、お前の夢のなかだ。」

「僕の、夢のなか?」

「そうだ。悪夢を取り除いた夢。それが、いまお前がいる場所の名だ。」

悪夢を取り除いた夢?
まったく意味が分からず黙っていれば男は言葉を続けた。

「さっきまで、お前は桜に殺される悪夢をみていたんだよ。そして、その悪夢を俺が取り除いた。」

ますます意味が分からない。
さっきまで桜が降っていたのは悪夢で、いま目の前にいる男が取り除いた?

「あなたは、何者なの?」

僕が恐る恐る聞けば、男は少し狐の面をあげる素振りをして答えた。

「俺は獏だ。」




闇は笑って、
爆弾を落としました。

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