クランベリー
すると、一弥が口を開いた。
「優が言いたかったこと、言ってやったんだよ!」一弥はやっぱり私の心悟っていたんだ…。

「オレはもう優のことで泣くのはいやなんだよ。
好きにしていいから、優の口から今の本当の気持ち聞かせて。」

私はいつもと変わらない一弥にまた泣けてきた。
一弥ってそんなに強かったっけ?じゃなくて、強がりなんだよね…。
そう、私はそんな一弥が大好きだった。
私はいつもバカばっかで泣き虫で何も言えないね。
一弥といる私は、ありのままの自分でいられるってこと、あらためて気付かされていた。

私は今になって迷っていた。今この時まで迷いなんてなかったのに…。
だけどもう引き返せない。裏切りや恋は嘘じゃないんだ。

一弥との4年間と、優しさと、情を私の身体から消した。

「私…好きな人ができたから…別れたい。」


頭上で輝く月だけが、
最後の二人を見ていた。
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