クランベリー

恋の電池

4年も続いた一弥と別れて、一週間が経った今、まだ実感がなかった。
でも、別れた次の朝はすでに別のことを考えてた。

嫌いになって別れたわけじゃないし、居場所も知っていて連絡すればすぐ会える距離だったから、寂しい時は頼りそうにもなった。
自分の弱さを知った。
でも絶対会わなかった。

私は一弥との別れは無意味なものにしたくない。
一弥の見せなかった心の涙は、私へのやさしさ…。

それに、今私の心から離れないのは…ヒロトなんだ。


今日は仕事を終えると、まっすぐ家に帰った。
「ただいま〜」

「おかえり〜。今日は優ちゃん帰りが早いじゃん。」と、私のお姉ちゃん。

「うん、ちょっとさーお姉ちゃんに聞きたいことがあってね…最近ＧＩＦＴってお店行ってる？」

「しばらく行ってないけど。なんで？」

「店員のヒロトって知ってる？」

「あ〜知ってるよ。あの子、真面目な顔しておもしろいこと言うから話てて楽しいんだよ。なかなかカッコイイしね。で？」

「あのね…私、ヒロトが好きになっちゃったんだ。」
「でも、優ちゃんには一弥くんがいるじゃん！どうするの？」

「別れたの。」