クランベリー
お姉ちゃんは、私のヒロトへの想いは本気だってこと何も言わなくても感じとってくれた気がした。

「お姉ちゃん、ヒロトの連絡先、知らないよね?」

「知ってるよ。…優ちゃんさ、ヒロトって多分彼女いるよ。」

「知ってる。でも…もう好きになっちゃったんだ。」
「そっかぁ。まぁがんばって!」

お姉ちゃんはすぐにヒロトの携帯番号とメルアドを教えてくれた。
お姉ちゃんはサバサバした性格で社交的だから、もしかして知ってるかも…という勘があたった。

私はすぐに、自分の携帯のメモリーに登録した。

ヒロトの番号が自分の携帯にはいっただけで、こんなに嬉しいなんて…!

やっぱり私はヒロトが好きなんだな。
少しホッとした自分がいた。

私の切れかかっていた恋の電池は、ヒロトに出会ってから全く別の新しい電池に入れ代わっていた。
恋のエナジーは満タンだ。
とはうらはらに、私は動けずにいた。

ヒロトには彼女。
そして私の親友はヒロトが好きで…。

あれから、ようこからの誘いもないし特に連絡もなかった。
一弥と別れたってこと、いつもなら真っ先に報告するはずも、今回そうはできなかった。
< 13 / 69 >

この作品をシェア

pagetop