クランベリー
仕事が終わると、ようこにメールをして会う場所を決めた。

約束の場所の私達がよく行く居酒屋に着くと、ようこは先に来ていて席に座って待っていた。


「ようこ、ごめん、待った?」

私はそういいながら席に座った。

「ううん、私もさっき来たとこ。」

なんかそっけない…?

私達の間ではありえないはずの少しの沈黙があったけど、ようこのグラスの中の氷をストローで掻き回すカラコロという音で、間をもたせた。


「ようこ、話しがあるって言ってたよね。」

ようこはやっと口を開いた。

「優さ、ヒロトくんのこと好きなの?」

一瞬、息が止まった。
次に顔がカーッと熱くなるのを感じた。

頭ん中、真っ白。
何も言えない…。


「GIFTの店員の子に聞いたよ。ヒロトと優が二人で会ったりしてるって。」
そっか…店の子に知られてたんだ……


「それにね、…見たんだ。この前、優と街で出会った時…あの後、優とヒロトが走っていくとこ…。
私に見られたくなかったからだよね?」


「ごめん…ごめんね…。ようこにあの時、嘘ついたことも…ほんとにごめんね。」

ようこの目がみれない。
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