クランベリー
星夜の出来事
3日間、ヒロトから連絡がない。

私からも、あえて電話しなかった。

思えば、だいたい私から電話してたもんね…

この3日間という、ヒロトと私とのあいた距離と時間は、全て彼女という名の女に捧げたの?

私はやっぱり、ただの待ちぼうけに過ぎない?


3日分のヒロトへの想いで頭がパンクしそうだよ。

子供が泣きながらオモチャをねだるように、私もあれが欲しいとヒロトを指差し、大声で泣きたいよ…。




仕事を終え、今日もまっすぐ家に帰った。
この正しい習慣にもなれた。

どこにも行くとこなんてない。

友達と会っても、うまく楽しめないし…



〜♪♪♪…

携帯の着信音。
ヒロトからの。

出るのを、ためらった。
あれほど、これを待っていたのに。

3日という、3百年もの時間が私を緊張させていた。


「…もしもし。」

「元気?今から家に来てよ。」

「どうしたの?いきなり…。寂しくなった?」

どうしてこんなこと聞いたんだろう…

私が今すごく寂しいからかな…


「寂しいわけないだろ〜、で、来れるの?来れないの?」

ヒロトの家は、私の家から結構距離がある。
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