クランベリー
届かぬ想い。
今日こそはヒロトに電話しようと思いながらも、電話できなかった。

私は心のどこかでヒロトからの電話を待っていた。


会いたい…。


部屋で何をするわけでもなく、ぼんやりしていた。


〜♪
携帯が鳴った。

ようこからのメールだった。

「明日、行くんだよね？
とりあえず、いつものファミレスで7時に待ち合わせしよ♪」



明日、私はようこに誘われたコンパにやっぱり行くことにした。

土曜日の夜に一人でいたくなかった。



私は仕事が終わると、いつもとそう代わり映えのない服装でようこと一緒にコンパが開かれるお店に向かった。

私が、直前に行くことをきめたから、男子5人に対し、女子が6人で女子が一人多かった。


ようこは気晴らしにと、コンパに誘ってくれたけど、こんなことでは、気は晴れないって分かっていたし、むしろその逆だということもなんとなく分かっていた。


「優ちゃんだっけ？本当に彼氏いないの？携帯番号、交換しようよ。」
アキラっていう男が軽く話かけてきた。

「ごめん、私今日、携帯忘れちゃったんだー。番号も覚えてなくって…。」

嘘をつくことしか思いつかなかった。
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表紙・目次

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