クランベリー
私はあなたの携帯番号なんていらないし、この場の全てに興味ないの…。

嘘をつくこともそうだけど、コンパの日に携帯を忘れたなんて言えば、やる気のなさがバレバレだっただろう。


私は結局、最後まで周りと調和できず一人浮いてる気分だった。

ようこを含め、他のみんなは何の問題もなく、楽しんでいた。


コンパは3時間くらいで、以外とあっさり終わった。
勘定を済ませ、お店からでると、遠くに見覚えのある人の姿が目に入った。


え…?

ヒロト?!

私は、目を疑った。

でもやっぱり、20mほど先に見えるのは、確かにヒロトに間違いない。


私は、ためらいもなく彼の方に走って行き、10mぐらいにまで近づいた。


「ヒロト!!」

私は叫ぶように名前を呼んだ。


ヒロトは私の方に目をやり、一緒にいた友達に先に行っててという、そぶりをしてから私の方に歩み寄ってきた。


「優じゃん。久しぶり。元気だったか?」

ヒロトの目は優しかった。
「会いたかったよ…ずっと。GIFTも知らない間に辞めちゃってるし…。」
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