クランベリー
予想と今の現状があまりにも違い過ぎていた。

私が想像してた彼女は、“気の強い女”だった。



「じゃあ、中に入りますか?」

私は気を取り直して言った。


私達二人は、小さなテーブルを挟んで、椅子に座った。


ここに来るまでの緊張はなんだったんだろう。

今日一日の中で、今が1番気持ちが落ち着いている…
私は、目の前の初対面の人に癒されていた。


まさに予想だにしない展開。


「あの…何歳なんですか?」
私はなぜか、いきなり歳を聞いていた。


「22歳です。名前は、早紀っていいます。」


「じゃ私と、同い年なんですね!」
と私。


「じゃお互い、敬語で話すのやめにしよっか?」
と笑いながら早紀が言った。


「そうだね。」
と私も合わせて笑って言った。


とりあえず、二人は飲み物を注文した。


早紀は、コーヒー。

私は、クランベリージュース。

店にあれば、なぜか無意識にこれを頼んでしまう。

きっとヒロトのせい…。
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