クランベリー
電話
今日は雪が降ってる。

もうすぐクリスマス…。

ヒロトは誰と過ごすのかな。

ロングヘアーの女の姿が頭に浮かぶ…。


私は雪の日にヒロトと出会った時のことを思い出しながら、ただ呆然と降り積もる雪を見つめていた。


ヒロトと喧嘩した夜には、すでに彼女と別れていたなんて。

何も知らず、私はヒロトを責めてたっけ…。


どうして、あの時言ってくれなかったの?

私のこと好きじゃなくなった?


私の頭の中はマイナスのことしか考えられなくなってる。

ヒロトに告白した時の私は、ただ伝えるだけでいいと思っていたのが、ヒロトに近づけば近づいただけ欲張りになっていってた。


そして、欲張りになればなるほど、一番大切にしなきゃいけないヒロトの心が見えなくなってしまった。


私は気付けば、一人よがりの恋をしてたんだ。

自分さえ満たされればいいなんて、そんなの本当の幸せじゃないよね…。
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