クランベリー

8秒間の視線と別れ

ＧＩＦＴからの帰りのようこは、ヒロトとたくさん話しができたと言いながらうかれていた。
「ヒロトくんってバンド組んでて、今度あのお店でライブするんだってー♪」
私もその話、横で聞いてたんだけど…ようこったらヒロトばっかりに夢中なんだから。
「優、ライブ見にまたあのお店一緒に行こうよ！」
「そうくると思った〜。いいよー。」
私も見たい。ライブ。
ライブは一週間後だった。私は以外にも心待ちにしていた。

私はライブの日までの一週間、一弥に連絡はしていたけど何かしら理由をつけ会うことをさけていた。そんな気にならなかったし、今彼は私にとって思い出す程度の存在にしかなかった。このままじゃいけないと思いながら、何か別のものに飛びつきたくて仕方ない自分がいる。
それが何なのかはまだはっきり分からなかった。

ライブの日。
仕事も順調に片付き、ようことの待ち合わせ場所に早めに着いた。
5分遅れてきたようこは、いつもより化粧が濃いくてヒロトと会うための気合い十分だった。
今日の私も、ようこの化粧の濃さに負けないくらい、なぜかめかしこんでいた。「ゴメーン！待たせた！」「じゃ、ＧＩＦＴに行こっか！ 」