クランベリー
「あのさ、オレ、優にいっぱい借りがあるままだろ。でも、オレが優にしてあげた事って思いつかないから、礼と言っちゃ何だけどオレから優に渡したいものがあるんだ。まぁ、クリスマスプレゼントってとこかな。」


「そんなお礼なんて、いまさらいいのに…。それに、一弥には、私たくさんもらったんだよ。」


一弥は、少し黙りこんだ。

「優、クリスマスの日、夜8時にオレ達が別れた場所に来てくれないか?」

「私達が別れた場所って…。一弥の家の前だよね?」

「だよな。またここなら、オレも優との別れにケジメがつく気がするし…。」

「…わかった。」

「じゃ約束な!絶対来いよ!」

「うん。じゃあね。」


一弥との電話を切った。

思いがけない一弥からの電話で、少しだけ気が晴れた。

クリスマスまであと5日…。
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