YOU&I
あの日の出来事が、フラッシュバックする。
あたしは啓ちゃんのためを思って、行動に出た。
でもその行動は、先の未来より、今の啓ちゃんを大きく傷付けた。
そんな自分が許せないあたしは、ここまでズルズル引きずってしまった。
見えない未来と、現在、あたしはどちらを守ればいいんですか?
再び同じ岐路に立たされたあたし達は、どちらへ向かうべきですか?
答えなんて…あるんですか?
あたしは今一度涙を飲み込み、腰から体を曲げる。
おでこが床につくくらい。
「…由衣?」
啓ちゃん?
これが、あたしの出した答えです。
きっとこの岐路に、答えなどないと思うんだ。
「ゆ‥い、なにしてんの」
「ごめん、ごめんね、啓ちゃん」
あたしは頭を下げる事しか思い浮かばなかった。
「バイバイ」