YOU&I
「由衣何組だったー?」
あたしに遅れ、あーちゃんが靴を履き替えるのを、横で待っていた。
「4組!あーちゃんは?」
「同じじゃん」
腰を曲げて靴を履いていたあーちゃんが、ぱっと顔をあげてそう言った。
あたしは嬉しくて、満面の笑みになる。
「やったね!」
「だね。恭介達も4組多いらしいよー」
恭介というのも、同じ中学校で、仲が良かった男子グループのようなもの。
中でも恭介が断然目立っているグループだけど、カッコイイ人が多くて、人気のあるグループだった。
「ほんとに!?うわぁ、4組濃いね!」
あーちゃんに恭介達ときたら、すでに賑やかなクラスになるだろうことは容易に想像がつく。
あたし達はわくわくしながら、1年生の教室のある4階まで上る。
上って左に曲がると、手前から1組・2組、と見えた。
あたしとあーちゃんは4組の前に着き、ドアを開ける。
入ってすぐに、見慣れた顔ぶれが目に付いた。
「由衣と葵じゃん」
ドアの前の角の席の机に軽くよしかかっていた恭介が、あたし達を見るとニヤりと独特の笑みでそう言った。
恭介の奥にはお決まりのメンバーの一人である啓也がいた。
中学の頃は4人くらいのグループだったけど、さすがに全員同じクラスというわけにはいかなかったようだ。
あたし達もドアの前で立ち止り、恭介達とお喋りを始めた。
「由衣、久しぶり」
その時あたしから一番遠い位置からポンと飛びぬけてあたしに挨拶を投げかけたのは、啓也こと啓ちゃん。