YOU&I



「啓ちゃん。元気だった?」

中学の卒業式以来会っていなかった啓ちゃん。

「超元気」

啓ちゃんはカッコイイ顔を可愛らしい笑顔に歪ませてそう言った。
そして啓ちゃんはあたしの横に移動し、あたしの顔を覗き込むようにして言う。

「由衣は?元気?」

「めっちゃね!」

「春休み何してた?」

「ほとんど遊んでたかなー」

「そうなんだ」

そう言って満足そうにフッと笑う啓ちゃん。

実を言うと啓ちゃんには、3回ほど、告白されている。
啓ちゃんがあたしを好きというのは、もうみんなの間では暗黙の了解のようになっていて。
でも残念ながらあたしは啓ちゃんは友達でしかないんだ。
毎回そう言うあたしに対して毎回啓ちゃんは、


『それでも全然構わないから、由衣の傍に居させて。由衣を守れるなら俺、なんも要らん』


そう言うんだ。
初めてそう言われた日から、みんなで遊んで夜遅くなった日とかは、絶対啓ちゃんがあたしを送ってくれた。
悩んでる時とか辛い時はいつも、誰より早く察知して誰より早くあたしを支えてくれた。
そんな啓ちゃんの気持ちに応えられない自分を責めた事もあった。
でもそんなあたしさえ啓ちゃんは見抜いていて、あたしを包み込んでくれる優しさを持っている。

あーちゃん・恭介・啓ちゃん。
他にも何人か4組には元中が同じ人もいたけど、仲いい人はこの3人だけだった。


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