YOU&I


そのうち遠くから、6回目のチャイムが聞こえた。


「あー昼休み終わっちまったよ、由衣ちゃん…」

「‥お腹、すいたね」

「それを言うな!」

どうやらだいぶ空腹のようで、涼喜はあたしに喝をいれる。
元はと言えばあたしが飛び出したせいでお昼を食べ損なってしまった。

「…ごめん、涼喜。なんか、付き合わせちゃって」

「いいよ、気にすんなー」

「うん…」

「つかもう帰らん?」

「あたしも思った」

今更教室に戻ったってどうせ説教の嵐だろうし。
それは今帰って明日学校へ来ても変わらないけど。
でも今はとてもじゃないけど説教だけは受けたくない。
そういう気分。

「よし、行こー由衣ちゃん」

「待って、鞄!」

「いらんっしょ!どうせなんも持って帰らんし」

「…」

そういう問題なのかしら。
まぁ、いっか。

あたし達は教師がいなさそうなルートをこそこそと嗅ぎまわり、玄関に辿りつくと、傘置き場からビニール傘を2本拝借して学校を出た。


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